会社を守る就業規則

会社を守る就業規則

「会社を守る就業規則」と検索すると、いろいろなホームページがヒットします。「会社を守る」と言えば聞こえがいいですが、実際に「就業規則」で「会社を守る」ことができるでしょうか?

まず、法律には「義務」と「努力義務」があります。「義務」は言わずもがなでしょうが、「努力義務」というのは必ず行わなければならないのでしょうか。
 答えは「必ずしも行う必要はない」です。もちろん、行うように前向きに検討することは必要ですが、できなくても法違反ではありません。例を挙げるとすると、70歳までの雇用です。現在は70歳まで雇用しなくても義務違反にはなりません。しかし、前向きに検討することは求められると思います。

この「義務」と「努力義務」の区別をしないで、就業規則を作るとどうなるでしょうか。会社にとって負荷のかかる、義務の重たい規程が出来上がります。努力義務なんて入れる必要はない、なんていうつもりは毛頭ないですが、会社の現状がそれを許さない、という場合に無理していれるべきものではないことは明らかです。

就業規則はインターネットで検索すれば、ひな形なんていくらでも転がっています。役所が提供しているものもありますので、これを使えば安心だ、なんて思うかもしれません。しかし、ひな形をそのまま自社に落とし込むと、会社の負担が重たい「会社を守れない」就業規則が出来上がります。ひな形が悪いわけではありません。単に自社に合わないだけです。自社に合わない規程は「会社を守れない」のです。

つまり、正確に言うと「自社に合わない規程は会社を守れない」のです。

就業規則が必要な理由

就業規則作成は法律上の義務

労働基準法89条は「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、(中略)就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない」と規定されています。つまり10人以上の従業員を雇っている会社は法的に就業規則の作成義務があります。これに違反して就業規則を作成しないと、30万円以下の罰金が科せられます。

労使トラブルを未然に防ぐ

 就業規則作成の法的義務がある会社はもちろんのこと、労使間トラブルを考えると従業員が10人未満でも就業規則を作成するのが望ましいと言えます。労使間トラブルの原因としては以下のようなものがあげられます。

  • 賃金問題
  • 労働時間
  • ハラスメント
  • 問題社員

これらの問題に対して事前にルールを明文化しておくことで、トラブルを未然に防ぐことが可能になります。さらに会社を守ると同時に従業員も守ることにもつながります。例えば問題社員への対応について、大半の従業員はそんなことはないのですが、ブラック企業があるのと同様、「ブラック従業員」と呼ばざるを得ない問題社員が少数ですが存在することは事実です。彼らから就業規則で会社を守ることはできるのでしょうか。

以下のケースにおいて、今の就業規則で対応できますか?

  • 従業員が行方不明になった。退職とは言われないし、解雇しようにも解雇を通告できない。このまま在籍させて社会保険料を垂れ流さなければいけないのか…
  • 協調性がなく、会社の指示を聞かない従業員がいる。どんなに指導しても改善されず聞く耳も持たない。周りの社員が先に参ってしまいそうだ…
  • 高い能力をあてにした高給取りの中途入社した社員、まったく成果が上がらない。約束が全然違うんだけど…
  • いくら言っても健康診断を受けてくれない。以前監督署からの是正勧告に対して「健康診断を必ず受けさせる」と回答しているんだけど、また指摘されてしまうのだろうか…
  • 精神疾患で出社したりしなかったり。休職の条件を満たしそうで満たさないんだけど、どうしたらいいのだろう…
  • 有期契約労働者に無期転換したい、って言われた。確かそんな法律があるとは聞いていたけど自分の会社で言われるとは思わなかった…

法改正、裁判例、これまでのトラブル対応を踏まえた規程を作成することで少しでも社長さんのストレスが軽減できるような規程を作成できます。

職場秩序の確立

 職場秩序の確立には、社内風紀やモラルを向上させることだけでなく、トラブルや問題社員への対応を明確にしておくことで従業員が安心して働ける環境を整えることが大切です。何かトラブルが起きたときに、ルールがない状態だと従業員が頼りにできるものがなく、問題に適切に対処できない恐れがあります。そのような環境を放置すると、従業員が常に不安を抱えながら仕事をすることになってしまいます。就業規則であらかじめ問題に対する対処を定めておくことで、何かあったときに安心して対処できるようになり、従業員は安心して働けるとともに会社全体のモラルや風紀の向上が期待できます。

受けられる助成金の幅が広がる

 受給には就業規則を作成していることが前提になっている助成金が存在します。そのため就業規則を作成していない会社は、本来受給できるはずの助成金をもらい損ねるということがあります。せっかく受給できる条件を満たしているのに就業規則を作成していないがためにもらい損ねてしまわないよう、就業規則を作成しておくことをおすすめします。

 

就業規則作成の流れ

自社に合う規程を作成しましょう

 自社に合った就業規則を作成するために、まず考えるのは経営理念との関連性です。経営理念は経営の根幹であり、その会社の経営活動のすべての基礎となる重要な考え方です。経営理念の上に実際の業務があり、実際の業務のルールを法律に則り明文化したものが就業規則になります。このように経営理念から一連のつながりをもたせて就業規則を作成することで自社にあった就業規則を作成することが可能になります。
 当社の就業規則は「経営理念」から始まります。明文化しているか否かはあるでしょうが、会社を経営する以上「活動目的」「実現目標」が存在しているものと思います。それを従業員に浸透させる手段として就業規則をぜひ活用してください。

「経営理念」はミッション、ビジョン、バリューに大別できます。(下図参照)

それを従業員の皆さまに浸透させ、腹落ちさせることが非常に大事だと私共は考えており、就業規則の作成を通じてサポートさせて頂きます。
日本経営労務では、これまで数百の規程作成を通じて獲得したノウハウを惜しみなくお客様に還元していきます。

実際の作成フロー

日本経営労務では、これまで数百の規程作成を通じて獲得したノウハウを惜しみなくお客様に還元していきます。

【完成までのフロー】

  • ヒアリングシートによる聞き取り
    弊社のノウハウが詰まったヒアリングシートにより、現状と望む姿をヒアリングさせていただきます。「本来はこうあるべきなんだ」という姿を確認し、それに近づけていけるような規定を作成させていただきます。
  • 仮案作成
    ヒアリングシートをもとに第一案を作成させていただきます。
  • WEB面談による打ち合わせ
    作成した第一案をもって、打ち合わせさせていただきます。望む姿をどのように反映したかをご説明させていただき、また社長さんより細かい質問など受け付けます。
  • 最終案作成
    面談を通じて出た問題点や修正点を反映して、最終案を作成いたします。
  • ご確認
    その最終案をご確認いただきます。不都合があれば、再度最終案を作成させていただきます。このやり取りが数回に及ぶケースもあります。
  • 製本、届出
    確定しましたら、弊社特製のファイルに製本し、監督署への届出を行います。
  • 納品
    届出が終了しましたら、納品させていただきます。納品した就業規則は必ず「周知」をお願いします。

 

規程例一覧

こちらにない規程も作成いたします。必要であればお声がけください。

重要度A:必ず作成してください

就業規則(正社員用) すべての規程の根幹です。
賃金規程(正社員用) 賃金は労働条件の根幹であり、就業規則の絶対的記載事項です。
育児・介護休業規程 正社員だけでなく、有期雇用契約者も育児休業・介護休業の対象者です。
ハラスメント防止に関する規程 2022年4月からは中小企業でもパワハラ防止法が適用されます。

重要度B:できれば作成してください

職場マナー・服務規程 いわゆる服務規定は会社のルールを定めます。法律ではなく、マナーとしての会社のルールを明確にしましょう。
パートタイマー就業規則 パートタイマーがいれば作成してください。助成金につながる規程でもあります。
嘱託社員就業規則 60歳以上のいわゆる再雇用契約者がいれば作成してください。
契約社員就業規則 パート以外の有期契約者がいれば作成しましょう。助成金につながる規程でもあります。
特定個人情報等取扱規程 マイナンバーの取り扱いを定めた規定です。

重要度C:必要に応じて作成しましょう

社有車管理規程
マイカー通勤規程
出張旅費規定
情報管理規程
ポイント制退職金規程
慶弔見舞金規程
執行役員規程
ストレスチェック規程

 

価格表

就業規則作成でお悩みの方へ

就業規則の値段はピンからキリまであると思います。その中でも当社の価格は決して安い方ではありません。なぜ、そのような価格で提供しているのかを説明させて頂きます。

① 打合せを重ねたハンドメイドの規程

前述した通り、念入りな打ち合わせを行い貴社の実情に合った、会社を守る就業規則を作成するにはそれなりにお時間を頂戴します。その分価格が割高に感じられるかもしれませんが、いざというときにはその価値を実感して頂けるものと確信しております。

② 会社の想いを乗せた「指針となる」規程
当社の就業規則は「経営理念」から始まります。明文化しているか否かはあるでしょうが、会社を経営する以上「活動目的」「実現目標」が存在しているものと思います。それを従業員に浸透させる手段として就業規則をぜひ活用してください。それを従業員の皆さまに浸透させ、腹落ちさせることが非常に大事だと私共は考えており、就業規則の作成を通じてサポートさせて頂きます。
これらを通じて、エンゲージメントを高めることで、従業員の定着率を向上させ成果も高まると言われております。ぜひ足元からいま一度見直してみませんか?就業規則作成の時間はかかるかもしれませんが、「ただそこにある規程」とは一線を画すことが出来ると考えております。

※エンゲージメント:個人が目指す成長の方向性と組織が目指す成長の方向性がどれだけ連動している関係なのかを表す。愛着信のような意味。ロイヤリティや従業員満足度とはまた別の指標とされる。エンゲージメントが高いと成果も高くなるという相関関係が注目されている。

 就業規則の作成にお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度日本経営労務にご相談ください。

無料相談受付中!

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