事業規模に応じた労務管理支援のご提案

年金事務所による調査その2

従業員数51人〜100人

年金調査で行われること(規模別)

年金調査は、厚生年金や健康保険の適正な適用や届出が行われているかを確認するため、年金事務所が企業を対象に実施します。企業の規模によって調査の内容や重点項目が異なるため、それぞれの規模に応じた調査項目の概要を以下にまとめます。

1. 小規模企業(従業員数50人以下)

適用状況の確認
厚生年金や健康保険に適用漏れがないか、全従業員の加入状況を確認します。特に、週20時間以上働く従業員の加入が適正に行われているかを調査します。
扶養家族の確認
被扶養者の認定基準が正しく適用されているかを確認し、扶養基準を満たしていない場合の是正を求めます。
給与報酬の確認
従業員の給与が適切に報告され、標準報酬月額の決定が適正に行われているかをチェックします。

2. 中規模企業(従業員数51~300人)

適用範囲の確認
小規模企業と同様に、加入漏れがないかの確認に加え、非正規雇用(パート、アルバイト)の加入状況や労働条件に基づく加入の適用範囲を調査します。
給与変動による月額変更の確認
昇給や降給などで給与に大きな変動があった場合、適切に月額変更届が提出されているかを確認します。
算定基礎届・年度更新
毎年行われる算定基礎届や年度更新が適切に行われているか、実際の給与額と照らし合わせてチェックされます。

3. 大規模企業(従業員数301人以上)

加入・脱退手続きの適正化
従業員の入社・退職時における加入・脱退手続きが迅速かつ適正に行われているかを確認します。また、退職後の継続手続きについても調査されます。
複数拠点での管理状況
大規模企業の場合、支店や営業所など複数の拠点での適用管理が適切に行われているか、全体で統一された基準での管理がされているかを調査します。
定期的な従業員データの更新
大規模企業では従業員の異動や役職変更が多いため、これに伴う報酬変更や資格更新が適切に行われているかを確認します。
監査対象の重点管理
適用規模が大きい企業では、リスクの高い部署や役職の従業員について重点的に監査が行われ、適用基準に沿った適正な年金手続きが確認されます。
年金調査での主な調査項目の共通点
どの規模の企業であっても、年金調査では以下の点が共通して確認されます。
従業員の加入状況が適正であるか
標準報酬月額の決定・変更が適切に行われているか
扶養家族の認定基準が守られているか
提出書類に不備がないか
調査結果に問題がある場合、企業には是正を求められ、改善指導が行われることがあります。

藤井 健介

監修:藤井 健介

社会保険労務士法人 日本経営労務 代表

特定社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー・MBA

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