高年齢者雇用状況等報告書は、企業が毎年6月1日時点における高年齢者(特に60歳以上の労働者)の雇用状況を把握し、厚生労働省に報告するための書類です。この報告書は、企業が60歳以上の労働者をどのように雇用しているか、定年制度や再雇用制度の運用状況を確認するためのものです。高年齢者の雇用促進と、働き続けやすい職場環境の実現を目的として、法令に基づいて提出が義務付けられています。
高齢化が進む社会において、高年齢者が安定して働き続けられる職場環境を作るために、企業に対して60歳以上の労働者の雇用を促進することを目的としています。これにより、労働力の確保と社会保障制度の安定を図ります。
企業が定年制を設けている場合、その定年年齢や、定年後の再雇用・継続雇用制度の運用状況を把握し、高年齢者が働き続けられる制度が整備されているかを確認します。適切な再雇用制度の実施が進められているかを把握するためにも重要です。
企業が、高年齢者が希望すれば65歳まで働き続けられるようにする「高年齢者雇用確保措置」を講じているかを確認するためのデータを収集します。これは、高年齢者雇用安定法で定められている義務であり、65歳以上まで働ける環境の整備を促進します。
常用労働者が31人以上いる企業は、高年齢者雇用状況等報告書の提出が義務付けられています。企業の規模や業種に関係なく、この基準に達している場合は毎年提出しなければなりません。
民間企業に限らず、地方公共団体や特殊法人などの公的機関も報告対象に含まれます。公的機関においても、高年齢者の雇用促進が求められています。
企業が雇用している60歳以上の労働者の人数や、その中で65歳以上の労働者の人数などを記載します。高年齢者の雇用状況を具体的に報告することで、どの程度の高年齢者が企業で働き続けているかを把握します。
企業が定年制を設けている場合、その定年年齢(例:60歳、65歳など)や、定年後の再雇用・継続雇用制度の内容について報告します。再雇用の対象となる労働者数や、継続雇用の実績も含めて記載します。
高年齢者雇用安定法に基づく雇用確保措置(定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年制の廃止)の状況を報告します。企業がどのような対策を講じているかを明確にし、高年齢者が希望すれば65歳まで働き続けられる環境を整えているかが確認されます。
高年齢者雇用状況等報告書は、e-Gov(電子政府)を通じてオンラインで提出することができます。オンライン提出は、迅速かつ簡単に報告を完了する方法として多くの企業に利用されています。また、データの管理や確認が容易になるメリットもあります。
オンライン提出が難しい場合、紙の様式を用いて所轄の労働局に提出することも可能です。必要な書類をダウンロードして記入し、所定の方法で郵送または持参して提出します。
報告義務を果たさない場合、労働局からの指導や改善要求が行われることがあります。報告を行わないことで、高年齢者雇用の取り組みが不十分と見なされる場合もあります。
高年齢者雇用状況等の報告を適切に行い、法定の雇用確保措置を講じている企業は、助成金の対象となることがあります。しかし、報告を怠った場合や適切な措置が取られていない場合は、助成金の対象から外れる可能性があります。
日本経営労務では、企業が高年齢者雇用状況等報告書を正確かつ迅速に提出できるよう、以下のサポートを提供しています。
報告書の作成に必要なデータ収集や書類の記入をサポートし、企業がスムーズに報告を行えるよう支援します。また、提出に関する手続きの流れや必要書類の準備についてもアドバイスを提供します。
企業が法定の雇用確保措置を講じるためのアドバイスを行います。定年の引き上げや再雇用制度の導入、職場環境の改善など、高年齢者が働きやすい職場を作るための提案を提供します。
高年齢者雇用に関連する助成金の申請もサポートします。適切な雇用確保措置を講じることで、企業が受けられる助成金の情報提供や申請手続きのサポートを行い、企業の負担軽減を支援します。
日本経営労務のサポートを受けて、報告書の作成から高年齢者雇用の推進まで、トータルでサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
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