マイナンバー管理は、企業が従業員のマイナンバー(個人番号)を適切に収集・保管・利用・廃棄するための業務を指します。マイナンバー制度は、税務、社会保険、雇用保険の手続きを効率化するために導入されたもので、企業にはその取り扱いについて厳格な管理が求められます。
採用時や必要に応じて従業員からマイナンバーを収集します。収集の際には、使用目的を明確に説明し、必要最小限の範囲で行います。
マイナンバーを含む情報は厳重に管理し、アクセス制限を設けて第三者が不正に閲覧できないようにします。物理的な書類は鍵のかかるキャビネットに保管し、デジタルデータは暗号化されたシステムで管理します。
マイナンバーの使用は、法令で認められた業務(税務手続き、社会保険手続き、雇用保険手続きなど)に限られています。これ以外の目的で使用することは禁止されています。
外部にマイナンバーを提供する場合(税務署や社会保険事務所など)は、必要に応じてのみ提供し、不必要に第三者に開示しないようにします。
マイナンバーの利用が終了した場合、速やかにデータを削除し、書類は適切に廃棄します。物理的な書類はシュレッダーで裁断し、デジタルデータは完全に削除されるよう、廃棄手続きを行います。
マイナンバーは重要な個人情報であるため、その管理が不適切だと情報漏洩のリスクが高まります。情報漏洩が発生すると、企業の信用が失われ、罰則が科される可能性もあるため、徹底した管理が必要です。
マイナンバーの取り扱いには「番号法」が適用されており、法令を遵守することが求められます。不適切な取り扱いが発覚した場合、企業に罰金や行政指導が行われることがあります。
マイナンバーを正確に管理することで、税務や社会保険手続きがスムーズに進み、業務の効率化が図れます。また、正確な情報を提供することで、誤った手続きによるトラブルを防ぐことができます。
社労士は、企業がマイナンバー管理を適切に行うためのサポートを提供します。マイナンバーの収集から保管、利用、廃棄に至るまでの業務フローを構築し、法令に基づいた運用を実現するためのアドバイスや体制整備をサポートします。特に、中小企業においては、マイナンバーの適切な管理が難しい場合もあるため、専門家のサポートを受けることでリスクを低減できます。
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