事業規模に応じた労務管理支援のご提案

衛生管理者・安全管理者選任届

従業員数51人〜100人

衛生管理者・安全管理者選任届の届け出義務について

衛生管理者・安全管理者選任届の届け出義務は、労働安全衛生法に基づいて、事業所が一定規模以上の労働者を雇用している場合に、職場の安全と衛生を管理する責任者(衛生管理者・安全管理者)を選任し、その選任の事実を労働基準監督署に届け出る義務です。この選任と届け出により、職場の労働環境の安全性や衛生状況を維持し、従業員の健康と安全を確保することが目的となっています。

1. 衛生管理者とは

衛生管理者は、職場の衛生管理を担当する専門の管理者で、従業員の健康を守るために、作業環境の点検や衛生教育の実施、健康診断のフォローアップなどを行います。衛生管理者の選任は、労働安全衛生法に基づいて義務付けられています。

衛生管理者の選任義務

•常時50人以上の労働者を使用する事業場(オフィス、工場、店舗など)は、衛生管理者を選任する義務があります。
•衛生管理者は、その事業場の業種や労働者の人数に応じて、必要な人数を選任する必要があります。
•選任された衛生管理者は、原則として常駐し、職場の衛生管理に努めなければなりません。

衛生管理者の主な業務

•職場の巡回点検や環境改善の指導
•健康診断の実施と結果のフォローアップ
•衛生委員会の運営支援
•労働者への衛生教育の計画と実施

2. 安全管理者とは

安全管理者は、職場の安全管理を担当し、労働災害の防止や安全教育の実施を行います。衛生管理者と同様、労働安全衛生法に基づき、一定の基準を満たす事業場での選任が義務付けられています。

安全管理者の選任義務

•常時50人以上の労働者を使用し、特定の業種(製造業、建設業、運輸業、鉱業など)に該当する事業場では、安全管理者を選任する義務があります。
•安全管理者は、事業場の規模や業種に応じて、選任すべき人数が異なる場合があります。

安全管理者の主な業務

•労働災害防止のための作業環境の点検や指導
•安全教育の実施や安全対策の立案
•労働災害の発生時の原因調査と再発防止策の実施
•安全委員会の運営支援

3. 選任届の届け出義務

事業場が衛生管理者や安全管理者を選任した際には、その選任の事実を管轄の労働基準監督署に届け出る義務があります。この届け出により、事業場が法令に基づき適切な安全・衛生管理体制を整備していることを示すことができます。

選任届の届け出方法

1.選任届の作成
•衛生管理者・安全管理者の氏名、資格、選任日などを記載した「選任届」を作成します。
•選任届には、資格を証明する書類のコピー(例えば、資格証のコピー)を添付する場合もあります。
2.労働基準監督署への提出
•作成した選任届を、管轄の労働基準監督署に提出します。
•提出期限は、選任日から14日以内となっているため、速やかに届け出る必要があります。
3.変更があった場合の再届け出
•既に選任している衛生管理者・安全管理者に変更があった場合(例えば、退職や新たな選任)、その際も変更届を提出する必要があります。

4. 衛生管理者・安全管理者選任のメリット

職場の安全と健康を守る:適切に選任された管理者がいることで、職場の安全性や衛生状態が保たれ、労働災害や健康障害のリスクが軽減されます。
法令遵守の徹底:衛生管理者や安全管理者の選任および届出を行うことで、労働安全衛生法を遵守している証となり、労働基準監督署からの指導や是正勧告を回避することができます。
従業員の信頼と安心感の向上:職場がしっかりとした安全衛生管理体制を整えていることがわかると、従業員の信頼感が高まり、働きやすい環境が整います。

まとめ

衛生管理者・安全管理者の選任とその届け出は、企業が従業員の安全と健康を守るための基本的な義務です。
企業が健全に運営するためには、適切な管理者の選任と法令に基づく届け出を行い、安全衛生管理体制を確立することが不可欠です。選任と届け出の手続きを適切に行い、安心して働ける職場環境を構築しましょう。

藤井 健介

監修:藤井 健介

社会保険労務士法人 日本経営労務 代表

特定社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー・MBA

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