こんにちは。スポットチームでございます。
今回取り上げるキャリアアップ助成金とは厚生労働省のHPには以下の通り紹介されています。
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下、「有期雇用労働者等」という。)の企業内でのキャリアアップを促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成をするものです。
非正規雇用労働者のキャリアアップを図ることで雇用の安定を図るための助成金で、7つのコースがあります。その中で、もっとも代表的な「正社員化コース」に的を絞ってご紹介いたします。
正社員コースの助成内容ですが、有期契約労働者を「正社員」もしくは「無期雇用」に転換した場合に助成金が支給されます。「無期雇用」」というのはアルバイトやパート、契約社員などの身分のままで契約の期間だけがなくなった方を指します。契約期間以外は従前と同じですので、正社員とは区別されます。その「無期雇用」に転換した場合は28万5千円、正社員に転換した場合は57万円が支給されます。条件は大まかに二つ。
入社後6か月以上3年の方を転換させること
転換時に給与を5%UPさせること
転換の時期については特に問題ないと思いますので、②の給与5%UPの方につき解説させて頂きます。
給与5%UPですが、考え方が2通りあります。転換前後で支給形態(月給か時給か、など)や労働条件(休日や労働時間など)が同じ場合と違う場合です。同じ場合は月当たりの単価で、違う場合は転換前後6か月の総額で比較します。後者の場合は賞与を含めることもできます。例えば転換前は時給で転換後が月給であれば、単純に月当たりの単価では較べられないので、後者のように比較することになるのです。
この助成金は昔からあるので仕組みをご存知の方もいらっしゃると思いますが、今年の4月から条件が変更になった部分があります。決まりが緩くなった部分と厳しくなった部分の両方がありますので合わせてご紹介します。
①基本給が下がっても賃金総額5%UPで可
基本給が下がったとしても、固定的賃金を含む賃金の総額が5%UPしていればOKとなりました。下図では基本給が下がっているが、職能給がそれを補う額支給されているため賃金の総額5%UPとして昇給要件OKとなります。ただし「実費補填であるもの」「毎月の状況により変動することが見込まれるもの(皆勤手当、精勤手当等)」は対象となりません。
②転換後に5%UPに含めたければ規定が必要
転換後の賃金に5%UP要件に含めたい手当は就業規則、賃金規定に規定しておく必要があります。実際払っていても、賃金規定に記載がなければ対象となりません。
③賃金規定の記載にも厳密化が求められる
5%要件の対象手当とするのであれば、「支給対象者」、「性質」、「定額」または変動の別、を規定する必要があります。また、賞与を対象にするなら「支給時期」「支給対象者」の規定が必要です。
④安易に固定残業時間を減らせません
転換後に固定残業時間を減らしての5%UPは認められません。
→OKです。
→NGです。(固定残業時間が減っています)
ただし、下記の通り他手当を支給して総額を超える場合には認められます。
(スポットチーム)
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